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▼トムさん:
ご自分の抱える不安感に振り回されてつらいという
ことですね。「中学・高校の頃いじめに遭ってまして、
その事が頭から離れなくて」とのことです。トムさんは
その一連の出来事を思い出すと、どんな感じがしますか?
腹立たしいですか? 悲しいですか? また、そのいじめの
さなかにいた当時のトムさんはどんな思いでいたでしょうか。
現実に目の前の物事と無関係な不安感は、ほとんどが過去の
遺産です。トムさんの不安感は具体的なイメージを伴って
いますので、いじめという出来事に起因していることが容易に
想像されますね。その時に受けた想い、苦しさ、悲しさを
頑張って耐え抜いたのでしょう。いやなことは早く忘れて
次に歩こうと精一杯頑張ったのでしょうね。
そこを耐えて今まで生きてきたのは、トムさんの大きな力です。
ただ「忘れよう」と封じ込めてしまった未解決な心の傷が、
未だに心の奥底に横たわり、痛みを発しているのかもしれませんね。
不安とは「安全を感じていないこと」です。言い方を変えれば、
まだ気持ちが解決を迎えていないということでしょう。
では、どうするか。トムさんは頑張って、それらの過酷な
出来事を通り抜けてきた人です。その事実を、トムさん自身が
どうとらえていくかだと思います。「悲しかったけど、
つらかったけど、とても腹立たしく、とても傷ついたけど、
頑張って耐え、精一杯やってきた。そんな自分をほめてあげ
たい、そんな自分に誇りもっている」という思いで自分を
見つめることです。
理不尽な扱いをされてしまえば、誰だって悲しい、つらい、
苦しいのです。それを耐えてきた自分、頑張って今を迎えた
じゃありませんか。そう自分を肯定していくことで、不安感から
徐々に解放されていくのだと思います。トムさん、あなたは
とても頑張ってきた人です。どうぞ、遠慮なく誇りをもって
ください。それはうぬぼれでも傲りでも何でもありませんよ。
≪規約同意済み≫
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