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TRUTHさん、こんばんは
僕には10数年来の親友がいます。
僕のことを「どんなことがあっても絶対に信じられる人」と言ってくれたことがあります。
でも僕は、相手を信じられるかどうかをあまり考えたくないんです。
人間は弱いものですから、一時の気の迷いや、誤解や誘惑で、何かのときに僕を裏切ることもあるかもしれない。そう感じるからです。
ただ、僕は親友のためなら死ねる。それは断言できます。
僕は以前、恋人から信じられないほど酷いかたちで裏切られたことがあります。
もう彼女のことは信じられませんが、人間としては今でも愛しています。
愛には慈悲もありますので、信じられない人でも愛せるのではないかと僕は感じます。
何だか答えになっていなくて、すみません。
>ずっと一人だけを愛し続ける人なんているんですか?
この質問は、異性との恋愛としての「愛」のことかと思いますが、
お互いに相手だけを愛し続けることを誓った恋人はたくさんいると思いますが、
果たしてそのうちのどれだけのカップルがずっとそういられるでしょうか?
多くが破局するという意味ではなくて、少しずつ相手に裏切られて、信じているかどうかは分からなくなったけれど、愛しているから別れないという、赦しの愛でつながっているカップルも多いように思います。それはそれでひとつの人間愛だと思いますし、お互いに許しあうことも人間としての成長だと思います。
でもそれでも、本当に信じられる人だけを求める人は、心に沢山の傷を負いながら、やがては運命の人と出会えるのかもしれません。
それから、余計なお目汚しですが、僕自身、TRUTHさんと同じような気持ちで苦しんでいた時に綴ったショートストーリーのようなものを、下記にコピーします。
赤い糸の物語
たった一人の愛する人と結ぶ
運命の赤い糸
少年にはどうしても
その糸が見えませんでした
不安になった少年は
愛の女神様に尋ねました
「どうすれば赤い糸が見えますか?」
女神様は少し困った表情で
でも優しく微笑んで
少年の胸にそっと手を置いて言いました
「赤い糸は ここにつながっているの。
ここがチクッと感じたら、あなたの目の前に
その子は立っているわよ」
少年はやがて一人の少女に恋をしました。
少年の胸はときめきました。
でも、チクッとはしませんでした。
やがて少年は少女を妹のように感じ始めて
二人は仲のいい友だちになりました。
ある日、暗い表情をした少女が
少年の顔を伺うように近づいてきました。
少女は少年が嫌な気分になる言葉を言いました
でも少年はなぜか少女を愛しく感じました。
少年が少女の手をとろうとしたとき
少女はその手を払って 走って消えていきました
その時、少年の胸がチクッと痛みました。
するとそこには
細くて長い針が突き刺さっていました。
少年の胸にうっすらと血が滲んできて
針を伝って ぽとりぽとりと
しずくとなって 地面に落ちました
そこに女神様が現われて言いました。
「針を胸から抜きなさい。そうしないと
いつまでも血が止まらないわ」
少年は首を振りました。
「いやです。この痛みをずっとずっと
僕は待っていたんです」
女神様は悲しそうな目で 少年を見つめました
少年は針から血を滴らせながら歩き出しました。
やがて疲れて木陰で腰を降ろそうとしたとき
「あなたをさがしていたわ」
一人の少女が草むらから姿を現しました。
「あ、君は。。」
少年は思わず言葉を言いかけて 息を呑みました。
そこには消えていったあの少女とそっくりの
でもかすかに違う別の少女が立っていました。
少年と少女は何も言わずに 見つめ合いました
そして手をつないで 歩き始めました。
知らないうちに 胸の針から落ちる血が
少年の服を赤く染め上げていました。
少年はそれに気づかずに
やがて足をとめた少女と向き合って
少女を胸に抱きしめました。
「あっ」少女が声をあげました。
少女のネックレスに針がカチンと当たりました。
驚いた少女は 少年を突き放して逃げていきました
「あっ」少年も声をあげました。
少年の胸が再びチクッと痛みました。
見ると、針がより深く 胸をえぐって
今度は勢いよく 血が溢れてきました
「針を抜かなきゃ。。死んでしまう。。」
少年は怖る怖る 震える両手で針をもちました
グッ。。激痛が全身を走りました。
それでも歯を食いしばって針を引こうとすると
血に濡れた服がほころびて
糸のように針に絡まりました。
おびただしい血が噴き出して
しだいに少年の目がかすんできました。
すると目の前に ひとりの女性が立っていました
力ない声で少年は語りかけました
「女神様ですか? ごめんなさい。
あなたのおっしゃる通り 早く針を抜いていれば。。」
「大丈夫? まぁ大変だわ。。こんなに血が。。」
そこには 一人の少女が かがみこんで
血まみれの少年を抱きかかえていました。
少年が もうろうとして 顔を見上げると
そこには涙をいっぱいにためた
美しい瞳の少女がいました
「誰?。。すみませんが。。胸にまだ刺さっている針を
全部抜いて下さい。まだチクッと痛むんです」
少女は戸惑って言いました
「針? 刺さっていないわ。。
あ。。地面に落ちているわ」
少年が思わず目を見開くと 胸に針はなく
ほぐれた服の糸が ふわりと風に流れて
少女のブラウスの胸に触れていました
少年は 消えそうな声で 少女に言いました
「ごめんなさい。。あなたの服を汚してしまう。
僕から離れて。。血のついた糸があなたの胸に。。」
「血のついた糸? どこに?。。」
胸に目をやって 不思議そうにつぶやいた少女が
もういちど少年に目をもどすと
少年がぽつりと言いました
「赤い糸が。。見えませんか?」
そして少年は
心地よさそうな安らいだ微笑みを浮かべて
少女の腕の中で目を閉じました
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