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       esさんと僕は同じような経験をされているな、と思ったので書かせていただきます。 
 
僕は1年間の契約で、去年の春から中学3年生の男の子を教えて、 
この春に高校へ送り出しました。 
その生徒は1年生より不登校の子だったけれど、僕の方で指定教材の他に、毎時間 
オリジナルの単語や漢字の小テストを作ってがんじがらめに指導したこともあって、 
成績は急上昇しました。 
 
その後は、お互いに気持ちのゆとりも生じてきて、雑談や世間話をするくらいの 
雰囲気で指導でき、ご両親との信頼関係も築けました。 
 
そして迎えた高校受験。残念なことに生徒の努力は報われず、第2志望の高校に 
進学することになりました。 
 
合否結果の知らせをを生徒本人からの電話から受けた時は、生徒を励ましつつも、僕は自分の指導力の不備や無力さに苛まれていました。 
 
「あまりにもキツいスケジュールを組んだり、宿題を多く出しすぎたのが悪かったのか。」と後悔したこともありました。 
 
既に最終授業は終了し、お家にお邪魔することはなかったので、 
生徒の頑張りぶりを褒め、本人の第1志望校に合格させられなかったことを詫びた 
手紙を一筆書いて、生徒の入学祝としての腕時計を添えて送りました。 
 
すぐにお母様からそのお礼の電話がかかってきて、「これほど馬の合った先生は他にいません。本人に自信を取り戻させ、学校に通えるようにしてくれて感謝しています。またご縁があったらその時はよろしくお願いしますね。」 
と言って下さいました。 
生徒本人も「高校に行っても不登校はせず、やれるだけのことはやってみる。」 
と約束を交わしてくれました。 
 
僕はすごく落ち込んでいただけに、その言葉に思わず涙してしまいました。 
自分の指導してきたことは全てが間違っているわけではないと確信できました。 
 
当然ながら、家庭教師の仕事は生徒の学力を伸ばすことですが、それだけにとどま 
りません。家庭との信頼関係の上に立ち、ご両親の望む方針に沿ったきめ細かな指導を通して、学習姿勢や勉強観を正したり、精神面でも励ましてあげるのも 
大切な仕事だと思います。 
 
さらに、その仕事を全うするのに必要なマニュアルは存在しないと思いますし、 
生徒を相手に仕事を完璧にこなせる家庭教師も存在するのかも分かりません。 
 
生徒を教える中で、悩みながらも成長していく生徒の伴走者が"立派な家庭教師"の姿だと思います。 
 
僕はこのことを1年間の経験から学びました。 
 
esさんは生徒さんの弱点を把握できていて、親御さんの望む通りに指導できていたのです。 
きっとesさんが生徒さんに身につけさせた学習姿勢は、次の家庭教師の先生の元でも持続することでしょう。 
 
esさんは自分の指導方法について悩まれていますが、至らなかった点ということで 
一言告げても問題ないと思います。esさん自身口に出すことで何も言わないでい 
るよりはスッキリできるでしょう。 
ただし、親御さんがesさんの指導に大いに感謝しているのも事実です。 
この点については大いに自信を持ってください。 
 
esさんは"立派な家庭教師"です。その先生に「そんなこと今更言われても」だなんて 
言うはずがありません。 
ご家族みんなが感謝の気持ち一杯にesさんを送り出してくれますよ。 
深く考え込まず、最後の授業を頑張ってきて下さいね。 
僕も応援しています。 
 
長文乱文お許し下さい。 
≪規約同意済み≫ 
      
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