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▼古城なえどこさん:
自傷行為という診断名を与えるよりも、
それにのめり込んでやめられないという
状態ならば、嗜癖行動です。その行動が、
日常生活を破壊しない健康的なものか
どうかが問われます。例えば「朝起きたら
顔を洗うのをやめられない」と言っても、
別にやめる必要はない。しかし、朝から
晩まで顔を洗っていないと不安でしかた
がないとなれば、これは日常生活を破壊
しますので、有害な行動といえますよね。
古城なえどこさんの行動は、それを続ける
ことによってデメリットがありそうだし、
やめるにやめられないとなれば、有害な
嗜癖行動といえるでしょう。確かに、爪を
かんだり、髪の毛を抜いてハゲになった
ところで死にはしませんが、日常生活を
送るために必要な物事の処理が損なわれ
ますよねぇ。
なぜなるのかは「苦しさ」です。それを
懸命に紛らそうとすることの行動化です。
爪をかんだり、髪をぬいている瞬間は、
その「苦しさ」を感じないわけですが、
なくなるわけではないので、止まらない
のですね。
「その行動は私には必要ない」と気づく
ために、その根っこにある「苦しさ」への
対処をしていきましょう。もちろん、その
「苦しさ」が形成されていくには、それぞれ
個人的な背景がありますが、おおざっぱに
言えば、自分が自分であることを受け入れ、
そして他者との素直なコミュニケーションに
心がけていくこと。そこに歩いていくことが
回復かと思います。
自分一人でどうにもならない、でもなんとか
したいとなれば、助けが必要ってことですよね。
遠慮なくカウンセラーの力を借りましょう。
助けを求めることは、弱いことでも恥ずかしい
ことでもありません。助けを求める。それが
健やかさです。
≪転載承諾≫
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