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はじめに断っておきます。この文には解決策やアドバイス的なものはありません。
私の兄は、夜勤の仕事が終わり、そのまま出かけた先で交通事故を起こし、
人を死なせてしまいました。
相手は、50代の工事現場で働いていた人でした。
一家の大黒柱を突然失った相手方の家の人の悲しみは、想像するにあまりあります。
遠い地で電話を貰った私は、事故の状況をあらかた聞き、
布団の上で亡くなった方を思い、泣きながら天に謝ったのを思い出します。
その後、何度か相手の家に親と兄が謝罪に行きました。
相手の家の方は、兄を厳しく非難することはしなかったそうです。
実は、相手の家の息子さんが、同じように事故で人を死なせた経験がおありだったそうです。
なんともやりきれない気持ちがいたしました。
兄はその後、自分を責め、精神的に落ち込み、安定した仕事も辞め、実家に帰りました。
そして、精神病院に通いながら、自立支援施設で軽い仕事をしながら復帰を図り、
5年くらいかけてやっとスーパーで働けるまでなりました。
当時、休暇で実家に帰った私に、夜、隣の布団から、「お兄ちゃんもう駄目かな。」
「幽霊が見える。」「死んだほうがいい?」等、
私に言い、その都度、「何を馬鹿なことを。」「時間かけてゆっくりやろう。」
と言っていました。
父は、精神的な病の事にあまり関わりたくなさそうで、兄をほぼ見放していました。
しかし、母は、粘り強くなんとか前向きに前向きにと、頑張ってくれました。
俺の母は最高です。
こういう境遇の人もいるという事だけでも知ってもらえたら、
なにかの足しになるかもしれません、それだけです。
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