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▼ちとせさん:
はじめまして、きりやと申します。
酷い目に遭ったんですね。
たくさん傷付いてしまったんですね。
そんな中で、よく生き抜きました。偉いですよ。頑張ったね。
二年。私から言わせれば『たった二年』です。
本当に辛い事が、そんな短期間では忘れられないのではないか、と思いますよ。人によるんでしょうけど。
小説や漫画の様に、何かひとつ光を見付けたからと言って、そこでエンドマークをつける事は出来ない、という事です。
本当に辛い事ですもの。一度吹っ切れたと思った『闇』に、また捕らわれる事だってあります。忘れたと思っていた事、忘れたい事を生々しく思い出してしまう事もあります。
何度も何度も同じ自問自答、煩悶、悩みを繰り返して、その度に自分なりの答えを出して行くのが大切な事ですよ。
例えば『あい』という漢字を書け、と言われたら、まだ幼い頃は『会』『合』等簡単な字を書きますよね。
けれど成長するにつれ、『愛』『藍』『哀』『逢』等、複雑な漢字も書けるようになります。二つの文字を組み合わせて『亜依』『愛衣』等の組み合わせも作れるという事も覚えます。
もしかしたら人によっては、『靄』という文字も『あい』と読む、と知るかも知れません。
そしてその人の過去や環境によって、最初にぱっと思い浮かぶ『あい』は多分違うでしょう。
『愛』の人もいれば『相』という人もいて『逢』な人もいる。人それぞれです。
いつかきっとこうなる、大人になればこうなれる、こうすればああなる、なんて事は言いません。
けれど、ちとせさんの過去を全てひっくるめて、今ここに生きているちとせさんがいるんですよ。
今からやる事も、明日になれば過去です。過去の積み重ねで現在があって、現在を積み重ねて未来を作るんです。
自分が望む未来に手が届くかどうかは、その積み重ね方次第。
バランスの悪い重ね方をしてしまったなら、少し戻ってきちんと治す事だって十分に出来ます。
ちとせさんの人生はちとせさんの物。過去に悩むちとせさんも、それは等身大のちとせさんであって、悪い事じゃないんです。
それを理解して、苦しい過去ごと受け入れてくれる人は、必ずいます。
大丈夫。辛い時を頑張れた貴女です。
これからも、ゆっくりゆっくり積み重ねていけばいいんですよ。ありのままでね。
ではでは。
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