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▼dokomoさん：
憲法２４条を見て見ましょう。
「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」
この文言を見る限りでは「両性の合意」によってのみ婚姻は成立するのであって、「同性の合意」によって婚姻は成立しえないことが分かります。
これが「定義が崩れる」といわれる理由ではないかと考えられますし、学説の多くもこの文言により判断する見解をとっているようです。
ディベートですし既に役割を割り振られてしまったので仕方がありませんが、実は同性婚を認めない見解に立った方が不利です。
第一に、憲法１３条で保障されている新しい権利の中に「自己決定権」というものがあるのですが、その「自己決定権」の中には「家族形成権」というものが含まれるとされており、この点について学説の対立はないのです。
となると、「家族形成権」が保障される以上は、同性による夫婦というものを認めるべきだということになりえます。
第二に、同性婚を認めないとする条文がないことです。
とりわけ戦後の家族法は旧来の家制度を否定し、個人の人格の尊重を主眼として規定されてきました。
前述した「両性の合意のみ」という文言も、このような背景を考えたら単に「戸主の同意は不要」というに過ぎず、「同性による婚姻は認めない」というわけではないともいえそうです。
第三に、諸外国では同性婚を法的に認めようとしている動きがあることです。
オランダ・ドイツ・ベルギーなどがそれにあたります。
おそらく相手はこれらを武器にして貴方たちに対抗してくることになるでしょう。
それに対する反論を考えるとともに、何か積極的な理由がほしいところです。
簡単に思いつくものとしては、「異性同士でなければ子供が生まれないから」という理由を考え付きますが、これは武器になるどころか首を絞めかねません。
たとえ異性同士であっても不妊症のカップルというものは存在しますし、夫婦だからといって必ずしも子供をもうけなくてはならないわけではありません。
子供が生まれないからという理由だと、これらの人々の人格を否定することになりかねません。
ここで一つ判例を紹介しておきます。
名古屋高判昭和５４年１１月８日です。
この事件は簡単にいえば、性転換手術を受けた男性Ｘが女性として戸籍の訂正を求めてきたというものです。
この判例によると、「人間の性別は、性染色体の如何によって決定されるべきものであるところ、記録中の鑑定人甲作成の鑑定書によれば、事件本人Ｘの性染色体は正常男性型であるというのであるから、同本人を女と認める余地は全くない」
ディベートのテーマは「同性婚は合法化されるべきか否か」とのことですが、このテーマの隠れたもう一つの狙いとして「性転換手術を受けた者の場合はどうか？」という問題が隠れています。
教授がその問題にまで議論を拡大させる可能性があるので、よくその点も考えておいて下さい。
あとやる気をなくされるかもしれませんが、ゼミのようなものだと、その担当教授の学説が最終的に勝ってしまう（勝ち負けの問題ではないのですけどね）傾向にあります。
ですから担当教授が「認めるべき」の見解に立つならばそちらの方向に話が流れていきますし、「認めないべき」の場合だと貴方たちが詰まっても代わりに教授が口をはさんで反論することも考えられます。
ですから負けてしまっても（？）成績には影響しないので、負けるつもりで気楽に考えて下さい。
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